こんにちは、インキュベクスの大坪です。

私が「介護の王国 鶴見梶山店」で施設長をしているときに思ったのは、入居者様にとってのコミュニケーションの大切さです。

今日は、一人の入居者様がご入居されてからのある変化についてお話します。

「介護の王国」は19床の小さな施設、ということは前にもお話しました。そのコンパクトさが、コミュニケーションをとりやすい雰囲気にもつながっているのではないかと思っています。

入居者様同士の交流で、気持ちが前向きに

70代後半のB様という男性の入居者様がいらっしゃいます。

現役のころは洋服の仕立ての仕事をされていた方で、着ているものもおしゃれでダンディなおじいちゃん。

右麻痺があり、言葉を発することができず、入居された当初はコミュニケーションをとるのが難しい状態でした。

私たちの施設では、入居者様には生活リズムを作っていただくようにしています。起床、食事時間、排せつ、就寝、そして日中はできるだけベッドから離れてもらうのです。

B様にもそのように、生活リズムを整えることから始めていただきました。

入居者様の生活パターンをそろえることで、皆さんが顔を合わせ、コミュニケーションをとる機会も増えます。

そんな中で、ある習慣ができていきました。

私は毎朝、B様を起こしに部屋に行っていました。さらにそこからB様と仲の良い入居者のA様のところへ。

「もうすぐ朝ご飯なので食堂に行きましょう」

と、B様と一緒に誘いに行くのです。

A様はとてもお話上手で、コミュニケーション能力の高い女性。

言葉を発することのできないB様にも積極的に話しかけます。

すると、最初は反応が薄かったB様の様子が変化していきました。A様に「おはよう」と声をかけられると、片手を上げて「おはよう」とジェスチャーで返すようになったのです。

食事のときも、おいしいのかおいしくないのか、飲みたいのかそうでないのか、以前は判断するのが難しかったのですが、気持ちが表情や態度に表れるようになっていきました。

言葉がはっきり出るわけではありませんが、本人の意識が行動に表れ、だんだんと言葉に結びついていく感じがしました。

生活の中で「こうしたい」という意欲がアップ

洋服の仕事をしていたおしゃれなB様は、「今日の服、素敵だね」とか「若いころはモテたでしょ」と話しかけると、“ニヤッ”と笑ったり、表情も豊かになっていきました。

車いすを自分で動かそうとしたり、生活の中で「こうしたい」という意欲が見えるようになったのも、とてもうれしいことです。

入居者様とスタッフのコミュニケーションもそうですが、入居者様同士の関わりも、お互いの生活のハリにつながるのだと、実感しました。

当施設で新たなチャレンジはじめませんか!

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