こんにちは、インキュベクスの大坪です。
「介護の王国 鶴見梶山」は、19床の小さな施設です。
そこにご入居者様されている方々は、お体の状態も性格も、当然ですが皆さんそれぞれ違います。
そんな入居者様に共通して大切なのは、「生活リズムを整える」こと。それは、生きる意欲を高めるためにも重要なことです。
本日は、ある印象的な入居者様について、ご紹介します。
70代半ばの女性、C様はご病気で入院されていた病院から、うちの施設に入居されました。
いらしたときはやせ細り、寝たきりの状態。食事も水分もなかなか摂ることができず、何に対しても拒否感が強く、軽度の認知症状がありました。
C様の娘さんは「母ともう一度、一緒に住みたい」とおっしゃっていて、スタッフもそれを目標にサポートを行いました。
とはいえ、最初はなかなか大変でした。
「こんなところに自分を入れて!」という気持ちになっているC様は、面会にいらっしゃる娘さんがお母様を思う気持ちを理解できず、娘さんとケンカになることも。
それでもスタッフたちはあきらめることなく、「少しでも何か食べましょう」と声かけをし、起床、食事、排せつ、就寝までの生活リズムを整えるよう努めました。
仲良くなった入居者様にもご協力いただき、「一緒に食事をするのを楽しみにしていますよ」と声をかけていただいたり。
生活リズムが戻り、本来の魅力を発揮!
半年ほどたったころから、少しずつC様の様子が変わってきました。食事が摂れるようになり、生活リズムも整い、体力も気力も戻ってきたのです。
せん妄のような意識障害もなくなりました。
C様は本来とてもかわいらしく、社交的な一面をお持ちの女性。ほかの入居者様に手を振ったり、「〇〇さん、元気?」と声をかけるなど、次第にもともとお持ちだった魅力を発揮し、周囲とコミュニケーションをとれるようになったのです。
「家に戻りたい」という目標を持ち、訪問リハビリによる理学療法士との歩行訓練も頑張りました。
病院からいらしたときはやせ細っていた手足がふっくらとし、1年ほどで念願の自宅に戻ることができました。
人間本来の生活リズムを取り戻し、入居者様ができるだけ元の生活に戻れるようサポートすること。これは病院ではなかなか難しいでしょう。
施設のスタッフだけでなく、主治医や訪問リハビリのスタッフなどとの連携が、C様の回復を支えられたと思います。
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